Pika H3 Flexは2026年10月29日に公開された、MiniMax H3の追加学習モデルです。映像と音声を6ステップで同時に生成します。ComfyUIで導入するときは、LoRAだけでなく、用途に合うベースモデルとサンプリング設定をそろえる必要があります。
この記事はComfyUI公式チュートリアルを11月3日に確認してまとめたものです。AniKukuでの実機検証は行っていないため、特定のGPUでの速度や画質を保証するものではありません。
ダウンロード前にライセンスを確認
重みにはMiniMax H3 Community Licenseが適用されます。定義上の適用地域には米国、EU、英国、韓国が含まれません。除外地域での導入を希望する場合はMiniMaxにライセンスを問い合わせるよう案内されています。ダウンロードできることと、利用の許諾を得ていることは別です。コードのApache-2.0ライセンスを、重みの利用条件と取り違えないでください。
入力素材に合わせてテンプレートを選ぶ
| 入力 | 公式テンプレート | 対応するH3ベースモデルとLoRA |
|---|---|---|
| テキストのみ | Text to Video | FL2VA |
| 開始フレーム、終了フレーム、または両方 | First and Last Frame | FL2VA |
| キャラクター画像、動きの動画、音声の参照素材 | Reference to Video | Ref2VA |
Template Library → Videoから開きます。公式の最低バージョンは、テキスト動画がComfyUI 0.43.2、参照動画と開始・終了フレームが0.30.0です。互換性のある新しい環境と、テンプレート内のモデルリンクを使ってください。Ref2VAには画像または動画の参照が必要で、音声だけでは実行できません。
必要なファイルと保存先
次はComfyUI公式チュートリアルのファイル名です。ベースモデル、テキストエンコーダー、映像・音声VAEは従来のH3と共通で、FlexのLoRAを追加します。
models/diffusion_models/ minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors minimax_h3_ref2va_pruned_int8_convrot.safetensors models/loras/ pika_h3_flex_fl2va_v1_bf16.safetensors pika_h3_flex_ref2va_v1_bf16.safetensors models/text_encoders/ qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq.safetensors models/vae/ minimax_h3_video_vae_int8_convrot.safetensors minimax_h3_audio_vae_fp32.safetensors
Pika側のComfy形式エクスポートでは、末尾が_comfy_bf16.safetensorsの名前になっています。こちらのBF16ファイルと、Pikaの元の推論パッケージ用FP32アダプターは別物です。ダウンロードした名前をローダーで選び、タスクも合わせてください。Comfy形式のファイルを元の推論パッケージのアダプターへ上書きしてはいけません。また、このエクスポートで確認されたのはテンソル変換であり、Comfyでの一連の生成テストではありません。
6ステップ設定は一式で使う
| 項目 | 公式テンプレートの設定 |
|---|---|
| LoRAローダー | LoraLoaderModelOnly、モデル強度1.0 |
| サンプラー | lcm |
| スケジュール | ManualSigmasのリストをそのまま使用 |
| ガイダンス | BasicGuider、CFG 1.0 |
| 追加の高速化LoRA | TurboやLightningを重ねない |
通常のH3ワークフローでステップ数だけを6にしても、Flexの設定にはなりません。Pikaも、一般的な6ステップのEulerサンプリングとは異なると説明しています。まず公式テンプレートを基準にし、ノードや参照入力を一つずつ変えると、問題の切り分けがしやすくなります。
ローカル出力とAPI機能を分けて考える
モデルカードにあるローカル推論の仕様は、ネイティブの480p/768p、24 fps、ミックス済みステレオ音声です。指定する長さは5〜15秒で、実際の長さはモデルのフレーム単位に従います。1080p・2K・4Kへの仕上げ、音声ステムの分離、プロンプト拡張はPikaのホスト型APIの機能で、LoRAに含まれるローカル機能ではありません。
Ref2VAは画像9枚、動画3本、独立した音声3本まで受け付けますが、合計は12ファイルまでです。動画と音声は各2〜15秒で、種類ごとの合計も15秒以内です。入力の上限まで詰め込んだ処理が、手元のVRAMに収まるとは限りません。ハードウェア資料は実行方式ごとに確認してください。小さいLoRAでもベースモデルなどのメモリーは必要で、モデルの演算時間はアップロードや待ち時間を含む総所要時間とは異なります。
アニメーション用の短い確認手順
未検証の練習例として、承認済みのキャラクター画像を使い、「ランタンを持ち上げ、ホームを見て、動きを止める」5秒のカットを考えます。冒頭の絵を固定したいならFL2VA、新しい構図に人物を登場させたいならRef2VAを選びます。顔、衣装、手と小道具の接触、カメラの止まる位置、音を一緒に確認しましょう。1カットの成功から、全話の一貫性までは判断できません。
Pikaのプロンプトガイドは、場面説明を英語で書き、せりふや画面内の文字は本来の言語で残すよう案内しています。日本語のせりふまで英訳する必要はありません。参照ラベルと素材の順番も合わせます。
| 症状 | 最初に確認すること |
|---|---|
| モデルが選択肢に出ない | 保存先と実際のファイル名、追加後の一覧更新 |
| 旧H3ワークフローの変更後に出力がおかしい | ベースモデルとLoRAの組み合わせ、CFG、sigmaリスト |
| 小さいLoRAなのにメモリー不足 | ベースモデル、エンコーダー、VAE、参照素材、オフロード設定 |
| せりふと音楽を別々に取り出せない | ローカル出力はミックス音声。別途ホスト型の分離機能を確認 |
全体像はMiniMax H3ガイドへ。RTX 5090のストリーミング実験は別の最適化構成なので、その速度をFlexに当てはめることはできません。fal側の費用はH3 Max Turbo料金ガイドで扱っています。
カバー画像はオリジナルのコンセプトアートで、Pika H3 Flexの生成結果ではありません。本記事はAniKukuへのモデル追加を告知するものではありません。
