Gemini Omni 1.2 Flashは2026年11月5日に正式公開されました。 Gemini APIの安定版IDは gemini-omni-1.2-flash。音声付き動画の生成・編集に対応し、最長15秒のカットを扱えます。動画出力の料金も引き下げられました。通常のチャットモデルの応答速度を紹介する記事とは、対象となる機能が異なります。
本記事は11月6日に公式発表、モデル仕様、開発ガイドを確認してまとめています。AniKukuでは有料の生成テストを行っておらず、Googleが示す画質や一貫性の向上を独自に検証したものではありません。
APIと各アプリの提供条件を確認する
Gemini Developer APIでは1.2が正式提供されていますが、利用できるのは有料枠のみで、APIの無料枠はありません。AI Studioで試作する場合も、APIの課金・利用条件を確認してください。Flow、Vids、Geminiアプリ、Google Cloudは、提供時期やプラン、地域条件がそれぞれ異なります。
提供地域には日本、韓国、台湾が含まれ、中国本土と香港は掲載されていません。プロジェクトの割り当ても別途確認が必要です。正式提供という表記だけで、すべてのアカウントが全機能を使えるとは判断できません。
「15秒」に対応する処理と、10秒までの処理
| Gemini APIで行う処理 | ドキュメント上の上限 |
|---|---|
| 新しい動画の生成 | 3〜15秒、1秒刻み。省略時は10秒 |
| 開始・終了フレームを使う補間 | 3〜10秒。両端を指定して10秒を超えるとエラー |
| 既存動画の編集 | 入力は最長15秒。Interactions APIで会話を引き継げる |
| 動画の延長 | 1回につき3〜10秒を追加。完成尺は最大30秒 |
| 延長時に参照する範囲 | 入力の末尾10秒。追加できるのは動画の後ろだけ |
出力は24 fpsです。解像度は720pが既定で、360pも選べます。1080pと4Kはアップスケール出力であり、ネイティブ4K生成という意味ではありません。画面比率は横長の 16:9 と縦長の 9:16 に対応します。
参照画像は全尺で最大6枚です。一方、参照動画は生成尺によって変わります。11〜15秒の新規生成では最長3秒の動画を1本、3〜10秒では最長3秒の動画を最大3本使えます。参照動画の音声は無視され、動画参照を使えるのは新規生成だけです。編集・延長には参照画像を使えます。
現行APIでは、音声ファイルや音声参照のアップロード、声の編集には対応していません。製品発表の音声条件付きデモを、そのままAPIの入力仕様として扱わないでください。また、EEA・スイス・英国では、アップロードした動画の編集・延長は利用できません。モデルが生成した動画の編集・延長は対応しています。
約0.07ドル/秒は動画出力分の目安
Standard料金は、動画出力が100万トークン当たり12米ドル、テキスト・画像・動画の入力が1.50米ドル、思考トークンを含むテキスト出力が9米ドルです。Geminiアプリの月額プランやクレジットとは別のAPI料金です。
720p動画は1秒当たり5,792トークンとして計算されます。
5,792 × 12ドル ÷ 1,000,000 = 出力1秒当たり0.069504ドル
| 720pの生成尺 | 動画出力分のみの料金 |
|---|---|
| 5秒 | 0.34752ドル |
| 10秒 | 0.69504ドル |
| 15秒 | 1.04256ドル |
これは公開単価に基づく試算で、実測の請求額やリクエスト総額ではありません。入力とその他の出力トークン、追加編集、再生成は別途見積もります。公表されたトークン数で換算すると、360pは約0.023ドル/秒、アップスケール1080pは約0.104ドル/秒、4Kは約0.209ドル/秒です。大量生成の前に実際の使用量と現行料金を確認してください。
仮に5秒・720pを100本生成すると、動画出力分は34.752ドル。採用できたのが50本なら、採用1本当たりの同費用は0.69504ドルになります。採用率50%は説明用の仮定で、モデルの実測値ではありません。編集工数やその他の料金も含みません。
短い1カットから、会話での修正を試す
公式の送信先は POST https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions です。以下はドキュメントの形式に沿ったリクエスト本文で、生成を実行していない例です。利用資格のある有料プロジェクトと認証が別途必要です。ガイドでは英語が正式に評価・サポートされているため、例の指示文は英語にしています。
{
"model": "gemini-omni-1.2-flash",
"input": "One continuous shot. An adult courier in a rust-red jacket holds a blue parcel at a rainy station. The courier looks toward the arriving train and stays still. Soft rain and distant station ambience. No cuts.",
"response_format": {
"type": "video",
"duration": "5s",
"resolution": "720p",
"aspect_ratio": "16:9"
}
}
雨の駅で、赤茶色の上着を着た配達員が青い荷物を持つカットです。まず出力を確認し、次のターンで返却されたinteraction IDを previous_interaction_id に指定します。「人物・荷物・カメラ位置を保ち、天候だけ晴れにする」といった単一の変更から試すと、差分を判断しやすくなります。IDを使って後から編集するなら store=false にしないでください。大きな動画はガイドのURI配信手順に従い、常にインラインbase64で返ると決めつけないようにします。
画像の役割は自然言語で説明し、廃止された <FIRST_FRAME> などの制御タグを使わないでください。Googleはまず自然言語で処理を選ばせ、意図と違う場合に video_config.task を使う方法を案内しています。明示指定すると入力制約が厳しくなります。
冒頭・中盤・末尾で、顔、衣装、小道具との接触、カメラ、リップシンクを見直します。設定・使用量・不採用理由を残し、1回に変える条件は一つに絞ります。日本語のせりふや字幕は別途検証が必要です。ガイドでは英語以外は未評価としており、本記事の五言語展開がモデルの多言語品質を保証するものではありません。
カットの設計は脚本から絵コンテへのワークフロー、別方式の課金例はSeedance API料金ガイドも参考になります。両モデルの単価を混同せずに比較してください。
Omni 1.1は12月3日から自動で切り替わる
リリースノートでは4週間の移行期間を設け、2026年12月3日から gemini-omni-1.1-flash へのリクエストを1.2に自動ルーティングし、1.2の料金を適用するとしています。先に新IDを明示して、保存済みの素材・プロンプトで処理、参照、せりふ、配信方式、使用量を確認してください。自動移行は同一出力の保証ではありません。旧 gemini-omni-flash-preview は提供終了済みです。
選び方の全体像はAI動画モデル比較で整理しています。本記事はGoogle APIの解説で、AniKukuへの導入発表ではありません。表紙は独自のコンセプトイラストで、Omniによる生成結果ではありません。
